 田中さん |
数々の古民家を手がけてこられた経験から、お話をお聞かせください。
この工事に関しては、単なる再生工事ではなく大森という特別な地区の保存事業という目的もありますから、町並みとの調和や古来の伝統工法にこだわっている点で手間をかけています。例えば、釘を使わず木と木を継いだり、新材を使うにしてもなるべく昔と同じ材料にしています。 特に、実際には見えない部分までそういう配慮をしているのが特徴です。解体前に残す部分を吟味するだけで、1ヶ月以上時間を費やしています。
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 釘を使わない金輪継工法 |  図面を見て指示を出す田中さん。 |
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それは具体的にはどういったところか教えてください?
例えば、解体前に使えるものと捨てるものとを区別するために、柱などを一本ずつ叩いて音を聞きながら選んでいきます。 木材で言いますと、最近の家だったら桧を使ったりするのが普通ですが、ここでは土台に栗の木を使ったり、梁には地元産の松の木を使っています。梁のつなぎなどには、縦横のひずみが少ない金輪継(かなわつぎ)という工法を使い、柱には一本一本背割りを入れます。代用建築資材が足りない時もよくあります。瓦の場合には古い当時の石州瓦を探す必要がありますし、壁などに使用する竹などは、寿命を考えて冬場に切り取った寒の竹が必要であったりと、そういった古民家再生だからこその調達の問題がありますから、大変時間がかかりますね。
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 梁の取り付け作業 |  土台には栗の木が使用された |
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